コンデンサの接続

2018年12月10日

SATの電験3種講座

コンデンサの接続

前回の単元ではコンデンサの充電について学びました。

今回は充電したコンデンサが放電する場合について説明します。

 

下図は前回でも使用した図ですが、このように二つのコンデンサに電圧をくわえて、二つのコンデンサを充電しました。

この充電されたコンデンサを外して下図のように並列に接続しました。

接続直後はC1のコンデンサには20Vの電圧が、C2のコンデンサには10Vの電圧がかかっています。二つのコンデンサに電位差があるので、下図のように電流(同時に電荷も)が流れます。

そして、並列接続なので、二つのコンデンサの電圧が同じになるまで電荷が移動します。

(※電荷がC1からC2に流れることで、Q=CVよりC1の電圧が下がり、C2の電圧が上がる)

その結果、下図のようになったとします。

このときのQ1とQ2、及びコンデンサにかかる電圧V0を求めていきます。

その際、気を付けるのはポイントは下記の通り。

point!
接続前の電荷の総量と接続後の電荷の総量は変わらない。

今回、接続前のコンデンサの電荷の総量は

100[μC]+100[μC]=200[μC] なので、接続後もコンデンサの総量は200[μC]です。

さて、この回路ですが、並列接続なので上のコンデンサと下のコンデンサにかかる電圧が同じになります。

よってQ=CVより

$$V=\frac { Q }{ C } $$

なので、

$$\frac { { Q }_{ 1 } }{ { C }_{ 1 } } =\frac { { Q }_{ 2 } }{ { C }_{ 2 } } $$

が成立して、

$$\frac { { Q }_{ 1 } }{ 5[μF] } =\frac { { Q }_{ 2 } }{ 10[μF] } \\ 2{ Q }_{ 1 }={ Q }_{ 2 }\\ { Q }_{ 1 }:{ Q }_{ 2 }=1:2\\ { Q }_{ 1 }+{ Q }_{ 2 }=200[μC]より\\ { Q }_{ 1 }=200×\frac { 1 }{ 3 } =\frac { 200 }{ 3 } [μC]\\ { Q }_{ 2 }=200×\frac { 2 }{ 3 } =\frac { 400 }{ 3 } [μC]$$

となります。また、コンデンサにかかる電圧は

$${ V }_{ 0 }=\frac { { Q }_{ 1 } }{ { C }_{ 1 } } \\ { V }_{ 0 }=\frac { \frac { 200 }{ 3 } [μC] }{ 5[μF] } \\ { V }_{ 0 }=\frac { 40 }{ 3 } [V]$$

となります。

 

 

SATの電験3種講座

ちなみに・・・(補足説明)

ここからの説明は飛ばしてもOKですが、深く電気を学びたい人の為に説明しておきます。

先ほど、コンデンサを接続した時に流れているものは実は全部で3つあります。

・+の電荷・・・実体がある

・-の電荷(電子)・・・実体がある

・電流・・・実体がない(電子の逆向きに流れているもの)

 

図にまとめると下図のようになります。

実は”もの(物体)”として動いているのは+と-の電荷だけで、どちらもC1からC2に流れ込んでいます。なので、C1の電荷が減って、C2の電荷が増えます。

電流は”もの(物体)”として存在はしていなくて、-の電荷(電子)の流れと逆向きに流れていると考えられているものということを知っておきましょう。

単元一覧に戻る

SATの電験3種講座

理論, 静電気

Posted by Lese