コンデンサ
コンデンサ
コンデンサには電荷を貯めるという性質があります。下図のようにコンデンサに直流電源を繋いでみます。
すると下図のように、電流が流れコンデンサに+と-の電荷が貯まります。
電源の+側のコンデンサには+の電荷
電源の-側のコンデンサには-の電荷
が貯まります。
このコンデンサを少し拡大して表したのが下図です。平行平板コンデンサと呼ばれ、電験3種でよく出題される図ですね。
コンデンサが蓄えられる電荷Q[C]は電圧V[V]に比例し、コンデンサごとの特性を示す静電容量C[F]にも比例します。
よって、コンデンサが蓄えられる電荷Qは
で表されます。また、このときの静電容量Cは
誘電率について
少しややこしいので、この部分はしっかりと覚えてください。
誘電率\(\varepsilon\)は\(\varepsilon ={ \varepsilon }_{ 0 }×{ \varepsilon }_{ r }\)で表されます。
\({ \varepsilon }_{ 0 }\)は定数で、\({ \varepsilon }_{ r }\)は物体によって変わる数です。
・空気中や真空中なら\({ \varepsilon }_{ r }=1\) で \(\varepsilon ={ \varepsilon }_{ 0 }\)
・水中なら\({ \varepsilon }_{ r }=80\) で \(\varepsilon =80{ \varepsilon }_{ 0 }\)
・チタン酸バリウムなら\({ \varepsilon }_{ r }=5000\) で \(\varepsilon =5000{ \varepsilon }_{ 0 }\)
という感じで物質の種類によって誘電率は変わってきます。(ここがポイント!)
真空中なら
こんな感じです。
また、誘電体を挿入してその比誘電率=20のときは
このようになります。
というわけです。
コンデンサの直列接続
また、回路全体の静電容量Cは
下図のような回路で各コンデンサにかかる電圧とたまる電荷を求める場合
\({Q}_{1}={Q}_{2}\)が成立するので
\({C}_{1}{V}_{1}={C}_{2}{V}_{2}\)となります。
$$5[μF]×{ V }_{ 1 }=10[μF]×{ V }_{ 2\\ }\\ { V }_{ 1 }=2{ V }_{ 2\\ }\\ { V }_{ 1 }:{ V }_{ 2\\ }=2:1$$
なので、30Vを2:1で分圧することで、
$${V}_{1}=20[V]$$
$${V}_{2}=10[V]$$
$${Q}_{1}={C}_{1}{V}_{1}=5[μF]×20[V]=100[μC]={Q}_{2}$$
という風に求め、下図のような回路になります。
ちなみに、各コンデンサにかかる電圧を求める公式として
$${ V }_{ 1 }=V×\frac { { C }_{ 2 } }{ { C }_{ 1 }+{ C }_{ 2 } } \\ { V }_{ 2 }=V×\frac { { C }_{ 1 } }{ { C }_{ 1 }+{ C }_{ 2 } } $$
というのがあるのですが、コンデンサの直列接続では、どのコンデンサにも同じ電荷が蓄えられることさえ覚えておけば覚えなくてもいいです。
コンデンサの並列接続
また、回路全体の静電容量Cは
下図のような回路で各コンデンサにたまる電荷を求める場合
これはもう、Q=CVに代入するだけです。簡単ですね笑
というわけでこのようになります。
実はややこしい単元に思われるコンデンサの単元ですが、知っておかないといけないのは
・Q=CV
$$・C=\frac { ε ×S }{ d }$$
・\(\varepsilon ={ \varepsilon }_{ 0 }×{ \varepsilon }_{ r }\)
・直列接続ではコンデンサにたまる電荷が同じになる。
・並列接続では、コンデンサにかかる電圧が同じになる。
・合成静電容量の公式
この6つだけです。そう考えるとこの単元がいかに点数の取りやすい単元であるかがよく分かると思います。毎年必ず出題される単元なので確実に覚えておきましょう。