負荷特性
この単元では負荷の特性を示す需要率、負荷率、不等率の3つを説明していきます。電験3種でも勉強したはずなので復習する感じで読み進めていくといいかと思います。
負荷特性
負荷の特性を表す言葉として、以下の3つの用語があります。
- 需要率
- 負荷率
- 不等率
それぞれについて説明していきますが、この3つは同時に学ぶ為ゴチャゴチャになってしまいやすいです。なるべく、公式の言葉で覚えるのではなくグラフなどのイメージで覚えるようにすると良いと思います。
①需要率
需要率は、ある期間中の設備容量に対する最大需要電力を%で表したもので、次の式で表されます。
例えば、下図のように設備容量が5000[kW]の需要家Aが電気を受電しているとしましょう。
設備容量というのは需要家Aが設置している機器の電力の合計で、全ての機器を全負荷で使用すると5000[kW]消費するという感じです。が、実際そんなことはほぼないので、需要家Aが必要な電力(需要電力)は5000[kW]より低くなります。
例えば、一日の需要家Aの需要電力を下のグラフの青線だったとしましょう。
お昼の14時頃に一番電力を消費していることが分かりますね。このときの電力を最大需要電力と言います。今回は最大需要電力が3500[kW]なので需要率は
$$\frac { 3500 }{ 5000 } ×100=70[%]$$
という風になります。つまり・・・
②負荷率
負荷率は、ある期間中の最大需要電力に対する平均需要電力を%で表したもので、次の式で表されます。期間によって日負荷率、月負荷率、年負荷率などがあります。
平均需要電力はその名の通り、ある期間の需要電力を平均化して、平らにしたときの電力のことです。
先ほどの需要家Aの需要電力を平均化すると下のグラフのようになったとしましょう。
平均需要電力が1750[kW]と分かりました。よって、負荷率は
$$\frac { 1750 }{ 3500 } ×100=50[%]$$
という風になります。
※もし負荷率が100[%]であれば、最大需要電力=平均需要電力ということで、常に需要電力が一定ということになります。負荷平準化の観点で見ると負荷率が高いほど良いですね。
③不等率
不等率は、各需要家の合成最大需要電力に対する最大需要電力の総和を表したもので、値は必ず1以上になります。
分母も分子も似たような言葉でややこしいですので、これはイメージで覚えましょう。イメージで覚えると言葉もそこから導き出せるはずです。
例えば、先ほどの図に設備容量が3000[kW]の需要家Bを付け加えてみましょう。
需要家Aと需要家Bとその合成需要電力を下のグラフにまとめてみました。
合成最大需要電力とは、各需要家の需要電力を合成したときの最大需要電力のことです。
グラフから分かる各最大需要電力を表にしてみます。
最大需要電力[kW] | |
需要家A | 3500 |
需要家B | 2200 |
需要家Aと需要家B全体 | 4300 |
よって需要家AとBの不等率は
$$不等率=\frac { Aの最大需要電力+Bの最大需要電力 }{ A,Bの合成最大需要電力 } $$
↑こういう感じの形になることをしっかりと覚えておきましょう!
$$不等率=\frac { 3500+2200 }{ 4300 } ≒1.33$$
こんな感じになります。
需要率も負荷率も不等率の3つは結構ややこしいので、ゴチャゴチャにならないように一つ一つ丁寧に覚えましょう!以上です。お疲れ様でした!