クーロンの法則
静電誘導
静電誘導・・・「+」や「-」に帯電した物体を導体に接近させることで、帯電した物体に近い側に帯電した物体とは逆の極性の電荷が引き寄せられる現象
・「+と+」や「-と-」はお互い退け合う力(斥力)がはたらく。
・「+と-」はお互い引き合う力(引力)がはたらく。
下図のようにどのような物質も、+と電気と-の電気が同じ数存在していて、お互い電気を打ち消し合って電気を帯びていない。
このような物体を擦り合わせることで-の電気が移動し、「-の電気を帯びた物体」と「+の電気を帯びた物体」が出来る。
今、このときにできた+の電気を帯びた綿布を導体(金属)に近づける。
近づけると、+に帯電した綿布に引き寄せられるように
導体の-の電気が左側に引き寄せられる。また、
導体の+の電気は右側に追いやられる。
これが静電誘導である。
クーロンの法則
先ほど、静電誘導で移動した+の電気や-の電気にはクーロン力という力がはたらくことで移動した。
このクーロン力は+や-の電気(電荷)相互間の距離の2乗に反比例し、2つの電荷量の積に比例するのがクーロンの法則である。
$$クーロン力\quad F=\frac { { Q }_{ 1 }{ Q }_{ 2 } }{ 4π{ ε }_{ 0 }{ r }^{ 2 } } $$
$$\frac { 1 }{ 4π{ ε }_{ 0 } } =9×{ 10 }^{ 9 }$$
まずはこの二つの公式を覚えましょう。各変数が示しているのは以下の通り
$${ ε }_{ 0 }:真空中の誘電率$$
r:電荷相互間の距離[m]
Q1,Q2:電荷量[C]
次にこの公式の使い方を学びましょう
例.次の電荷にはたらくクーロン力を求めなさい。
公式に代入するだけですが、クーロン力の方向は分かってるので、電荷の符号の「-」は気にせず代入しましょう。
$$F=\frac { { Q }_{ 1 }{ Q }_{ 2 } }{ 4π{ ε }_{ 0 }{ r }^{ 2 } } \\ F=\frac { 1 }{ 4π{ ε }_{ 0 } } ×\frac { { Q }_{ 1 }{ Q }_{ 2 } }{ { r }^{ 2 } } \\ F=9×{ 10 }^{ 9 }×\frac { 8×6 }{ { 4 }^{ 2 } } \\ F=2.7×{ 10 }^{ 10 }[N]$$
このように計算して答えが出ます。どちらの電荷にもこのクーロン力がはたらきます。
電荷が複数ある場合
上図のように電荷が3つ以上の複数ある場合、例えばBにはたらくクーロン力を求める場合は以下のようにして求めます。
まず、Aの電荷によってはたらく力\({F}_{A}\)と
Cの電荷によってはたらく力\({F}_{C}\)を求め、この二つのベクトル合成を求めます。これが電荷Bにはたらくクーロン力になります。
$${ F }_{ A }=9×{ 10 }^{ 9 }×\frac { 8×6 }{ { 4 }^{ 2 } } \\ { F }_{ A }=2.7×{ 10 }^{ 10 }[N]\\ \\ { F }_{ C }=9×{ 10 }^{ 9 }×\frac { 6×3 }{ 3^{ 2 } } \\ { F }_{ C }=1.8×{ 10 }^{ 10 }[N]$$
三平方の定理を使い
$$F=\sqrt { { 2.7 }^{ 2 }+{ 1.8 }^{ 2 } } ×{ 10 }^{ 10 }\\ F≒3.24×{ 10 }^{ 10 }$$
このようにクーロン力を求めましょう。