平衡三相回路

2018年5月7日

平衡三相回路とは

下図のように負荷と電源を繋ぎ、電源電圧がそれぞれ位相差120°で同じ大きさの電圧であり、

負荷がそれぞれ同じインピーダンスになっている回路のこと。

電験3種では、ほぼこの平衡三相回路が出題されます。

また、電源と負荷の繋ぎ方には主にΔ結線とY結線がありますので、

  • Y-Y型(上図はこのパターン)
  • Y-Δ型
  • Δ-Y型
  • Δ-Δ型

の4通りのパターンがあります。

 

平衡三相回路で使う特殊な用語があるのでまずはそれについて理解していきましょう。

相電流・・・電源電圧を流れる電流のこと。

線電流・・・電源と負荷の間を流れる電流のこと。

相電圧・・・電源電圧のこと

線間電圧・・・電源から負荷に向かう3本の線のうち2本の間の電圧。

これら4つがこれからよく使う用語になってきます。これらを下図に示します。

【電源側がY結線の場合】

図を見ると分かると思いますが、電源側がY結線のとき

相電流 = 線電流

となります。

ただ、相電圧線間電圧は違いそうですね。実はこのとき、

$$\sqrt { 3 } ×相電圧=線間電圧$$

となります。

相電圧より広い幅をとってるので線間電圧の方が大きいというイメージをもっておきましょう。

この\sqrt{3}は正直暗記で覚えた方が速いですが、後にベクトル図でその理由を説明します。

 

【電源側がΔ結線の場合】

図を見ると分かると思いますが、電源側がΔ結線のとき

相電圧 = 線間電圧

となります。

ただ、相電流線電流は違いそうですね。実はこのとき、

$$\sqrt { 3 } ×相電流=線電流$$

となります。

この\sqrt{3}も、後の説明を読むと意味が分かってくるかと思います。

 

\sqrt{3}の意味(線間電圧)

暗記してもいいのですが、\sqrt{3}の意味を理解した方が解ける問題の幅が増えるので、是非理解しましょう。

まずは下図のような平衡三相回路での相電圧と線間電圧の話から。

相電圧×\sqrt{3}=線間電圧になる理由についてです。

まず、この回路のEaを基準ベクトルとして、相順をa,b,cとして、EbとEcをベクトル図で表すと下図のようになります。

となる理由についてです。

次に、Vabについてですが、

Vab=Ea-Ebとなります。

?ってなった人の為にザックリと直流回路で説明すると、Eaを20V、Ebを8Vとして下図のように抵抗にかかる電圧を求めようと思えば20-8で12と求めますよね。それと同じことです。

Vab=Ea-Eb

Vab=Ea+(-Eb)

なので、Vabを求めるためにはEaのベクトルと、Ebの反対方向のベクトルを足す必要があります。

足し合わせると下図のようになります。

VabはEaより少し線が長いですよね。ということは電圧が大きいということを意味しています。

その大きさは正三角形と三平方の定理をうまく使い下図のように求め、

Eaの\sqrt{3}倍になることが分かります。

また、VabはEaよりも30°位相が進んでいることも分かりますね。

ちなみにVabとVbcとVcaも同様にベクトル図で表すと下図のようになります。

この辺りの図が自分で何も見ずに書けるようになると、位相のズレの話や\sqrt{3}倍関係で間違うことが無くなりますので、ここまでしっかりと理解しましょう。

 

また、線電流と相電流も同じようにベクトル図を書く事で\sqrt{3}倍の意味が分かると思います。

 

三相交流回路での電力の求め方

三相交流回路での電力を求める場合は

 

point!
一相あたりの電力を求めてそれを3倍するだけでOKです。(ここが一番大事)

例えば下図のような平衡三相交流回路で三相皮相電力・三相有効電力・三相無効電力を求める場合

まずは、ΔとYが混じっているので、ΔーΔかYーYにしましょう。今回はΔーΔに変換します。

Y→Δなので3倍するだけですね。このとき、一相分の回路というのは下図のように

赤線の部分になります。これを取り出してくると、下図のような回路になります。

この回路全体を流れる電流Iは

$$I=\frac { V }{ Z } =\frac { 200 }{ \sqrt { { 12 }^{ 2 }+{ 9 }^{ 2 } } } \\ I=\frac { 200 }{ 15 } \\ I=\frac { 40 }{ 3 } [A]$$

となるので、各電力は

$$S={ I }^{ 2 }Z={ \left( \frac { 40 }{ 3 } \right) }^{ 2 }×15=\frac { 8000 }{ 3 } [V・A]\\ P={ I }^{ 2 }R={ \left( \frac { 40 }{ 3 } \right) }^{ 2 }×12=\frac { 6400 }{ 3 } [W]\\ Q={ I }^{ 2 }X={ \left( \frac { 40 }{ 3 } \right) }^{ 2 }×9=1600[var]$$

となります。が!これは一相分の電力なので三相電力はこれを三倍する必要があります。

よって、

皮相電力は8000[V・A]

有効電力は6400[W]

無効電力は4800[var]

という風になります。

 

まとめると、

 

point!

①ΔーΔかY-Yにする

②一相あたりの電力を求める。

③3倍する

 

たったこれだけです。

テキストの公式は√3がついていたり、文字が線電流と相電流のどちらを使ってるの?とか、線間電圧と相電圧のどっち?って迷うことがありますので、正直覚えなくていいと思います。時間の無駄ですので…

大事なのは↑にまとめた3つのポイントだけです!

ということで、三相交流回路は終わりです。薄い内容に見えますが、全然電験3種対応できると思いますので、後はたくさん演習をこなしましょう。