Δ-Y変換

2019年6月17日

SATの電験3種講座

ΔーY変換 

ΔーY変換とは、下図のようにΔ型に繋がれた負荷を、Y型に繋がれた負荷にすること。もしくは、Y型に繋がれた負荷を、Δ型に繋がれた負荷にすること

変換することでこの外部の回路に影響が出ないように変換する為、負荷の抵抗値が変わる。

3つの負荷が全て同じインピーダンスであるとき、平衡状態といい、異なるインピーダンスのときは不平衡状態という。電験3種の理論では、ほぼ平衡状態の負荷が出題される。

たまに不平衡の負荷が出題されるが、その時は電源に繋がっていなくて、負荷についてだけの出題になっていることがほとんどである。

 

平衡状態のΔーY変換

上図のように、平衡状態の場合、

point!
Y→Δにすることで抵抗が3倍になる。
その逆に、Δ→Yの場合は3分の1倍になります。
これが中々覚えられない人が多いと思いますが・・・
Y型をΔ型にすると中に空間が出来て大きくなりますね?
大きくなる→なので3倍になる。という風にイメージで覚えておくと覚えやすいです。
とりあえずΔは大きいのです。
 
 
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不平衡状態のΔーY変換と公式の覚え方

最後に、不平衡状態の抵抗のΔーY変換をしましょう。

よく参考書などではRa・Rb・Rab・Rbcなどのサフィクス(添え字)を使って表しますが、ややこしいの下図のようにシンプルな文字で説明します。

さて、まずはa・b・cをそれぞれA・B・Cを使って表す公式をまとめます。(Y→Δ変換)

$$a=\frac { AB+BC+CA }{ C } \\ b=\frac { AB+BC+CA }{ B } \\ c=\frac { AB+BC+CA }{ A } $$

覚えにくいですよね!というわけで、覚え方を説明します。

平衡状態のときはY→Δにするときに3倍になっていました。

今回aの抵抗を求めるときにAとBとCを使いましたが、このA・B・Cが平衡状態として、A=B=C=Xと置いてみます。

$$a=\frac { AB+BC+CA }{ C } \\ a=\frac { { X }^{ 2 }+{ X }^{ 2 }+{ X }^{ 2 } }{ X } \\ a=\frac { 3{ X }^{ 2 } }{ X } \\ a=3X$$

このようになります。ちゃんと3倍になってますよね。

この事より、何が言いたいかというと、

aの抵抗を求める際に、A・B・Cの抵抗を用いて立式するとき、形としては

$$\frac { 3{ X }^{ 2 } }{ X } $$

必ずこのようになります。

なので、分子はどう考えてもAB+BC+CAにならざるを得ないわけです。(Aの2乗+Bの2乗+Cの2乗だとシンプルすぎますよね)

そして、分母はaの抵抗と対称の位置にあるCが来るわけです。

このように覚えることで、公式を一生忘れません。

なので、多少苦労してでも今書いたことを何とか理解してください。

 

では、ついでなのでA・B・Cをそれぞれa・b・cを使って表す公式を考えてみます。(Δ→Y変換)

まずはAを求めます。Δ→Yの場合、3分の1倍になるので平衡状態としての最終的な形は

$$A=\frac { { X }^{ 2 } }{ 3X } $$

このようになるはずです。

3XというのはX+X+Xから出来ているのでa+b+cのことですね。

Xの2乗はAと対称性のとれる位置の抵抗の積なのでa×bのことです。

よって

point!
$$A=\frac { ab }{ a+b+c } \\ B=\frac { ac }{ a+b+c } \\ C=\frac { bc }{ a+b+c }$$

このようになります。

ちょっとややこしいですが、僕はこんな感じで覚えて間違えることが無くなりました。

どうしても分からない場合は自力で覚えるしか無いと思いますが、Δにすると

$$\frac { 3{ X }^{ 2 } }{ X } $$

の形になることとか、Yにすると

$$\frac { { X }^{ 2 } }{ 3X } $$

の形になることくらいは覚えておくと、間違いが減るかと思います。

是非ご参考にしていただいてΔーY変換をマスターしてください。

頑張りましょう。

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