テブナンの定理

2018年12月10日

SATの電験3種講座

テブナンの定理とは

テブナンの定理・・・回路上の任意の場所(どんな場所でも)に、負荷(抵抗)を接続したときにその負荷に流れる電流を求める為に、回路を一つの電圧源と抵抗に置き換える定理のこと。

テブナン1

例えば、上図のような回路があったとして、ab間にR[Ω]の抵抗を挿入したとき、この抵抗に流れる電流は

point!
$$I=\frac { { V }_{ ab } }{ { R }_{ ab }+R } $$

という風になります。

この\({R}_{ab}\)というのは、ab間の合成抵抗の事です。これを求めるときは

テブナン2

上図のように電圧源は短絡、電流源は開放して考えます。重ね合わせの理のときと同じですね。

よって、\({R}_{ab}\)は

$${ R }_{ ab }=\frac { { R }_{ 1 }{ R }_{ 2 } }{ { R }_{ 1 }+{ R }_{ 2 } } $$

という風になります。

 

テブナンの定理を使うことで、抵抗をつなげる前の回路は下図のように一つの電圧源と一つの抵抗という風な等価回路に置き換えることができます。

テブナン3

この回路にR[Ω]の抵抗を繋ぐと

テブナン4

このような回路になるので、

$$I=\frac { { V }_{ ab } }{ { R }_{ ab }+R } $$

このような公式になるわけです。

 

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まとめ

テブナン1

この回路は

テブナン4

この回路に変換できる。

このときの\({R}_{ab}\)というのは、ab間の合成抵抗になる。

 

電験3種の過去問への応用

出典:「平成28年電験3種「理論」」(電気技術者試験センターより)

この問題は実際に電験3種で出題された問題ですが、

抵抗Rで消費される電力が知りたいので、抵抗Rに流れる電流を求める必要があります。

こういうときにテブナンの定理を使います。

まずは下図のようにab間で切り離してみます。

テブナン5

このときのab間の合成抵抗は0.1Ωが4つ並列なので、

0.025Ωとなります。

また、ab間の電圧は電源電圧が全て9Vなので、9Vとなりますので、下図のような回路になります。

テブナン6

ここまで来れば、流れる電流は9[V]÷0.525[Ω]≒17.14[A]

となり、消費電力は17.14[A]×17.14[A]×0.5[Ω]=146.88[W]

ということで(2)が答えということになります。

 

このような応用ができるようにテブナンの定理をマスターしましょう。

基本は

point!
$$I=\frac { { V }_{ ab } }{ { R }_{ ab }+R } $$

この公式を覚えておけば問題ありません。後は使い方だけです。

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理論, 直流

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