重ね合わせの理
重ね合わせの理とは
重ね合わせの理は電源(電圧源・電流源)が2つ以上ある回路において、電流や電圧がそれぞれの電源が単独に存在していた場合の和になる原理のことです。
また、注意点として
・電圧源を取り除くときはその部分を短絡(導線で繋ぐ)
・電流源を取り除くときはその部分を開放(何も繋がない)
状態にする必要があります。この辺りが間違えやすいポイントなので確実に覚えましょう。
使い方
例えば上図のような回路で、10Ωの抵抗に流れる電流を求めなさい。という問題が出たとしましょう。
この回路では電源が二つ以上あるので重ね合わせの理を使います。
重ね合わせの理を使う時は、頭の中で考えずに電源が単独で存在する回路を必ず書くようにしましょう。
書き出すと以下の2つの図のようになります。
この回路のI1とI2の和が元の回路の10Ωの抵抗に流れる電流となります。
電圧源のみの回路のI1は40Ωの抵抗を無視できるので、(40Ωの抵抗を通る閉回路が無い為)
$${ I }_{ 1 }=\frac { 30 }{ (10+5) } \\ { I }_{ 1 }=\frac { 30 }{ 15 } \\ { I }_{ 1 }=2(A)$$
となります。
また、
電流源のみの回路のI2は9Aを5Ωと10Ωの抵抗で分流するだけなので(分流についてはこちらを参照)
$${ I }_{ 2 }=9×\frac { 5 }{ 5+10 } \\ { I }_{ 2 }=9×\frac { 5 }{ 15 } \\ { I }_{ 2 }=3(A)$$
となります。
よって、元の回路の10Ωの抵抗に流れる電流は2Aと3Aを重ね合わせて5Aとなります。
※重ね合わせの注意点
回路によっては、重ね合わせる際の電流の向きが逆になることもあります。
例えば、左に5Aと右に2Aみたいな感じです。
この場合は、重ね合わせると相殺されて左に3Aという風になりますので注意しましょう。(引き算になります)
まとめ
・重ね合わせの理は電流源や電圧源が2つ以上あったときに使う。
・電圧源を取り除くときはその部分を短絡(導線で繋ぐ)
・電流源を取り除くときはその部分を開放(何も繋がない)