合成抵抗

2018年12月10日

SATの電験3種講座

この単元では、合成抵抗の求め方を説明します。直流だけでなく交流での回路計算においても非常に重要な単元です。また参考書にあまり書かれていないテクニックも載せますので是非習得してください。

合成抵抗とは

合成抵抗

合成抵抗・・・複数の抵抗を1つの抵抗とみなしたときの抵抗の値。

複数の抵抗を合成して1つの抵抗に置き換えても、その外側で流れる電流や電圧には何も影響しない為、複雑な回路計算をするときに合成抵抗の考え方が用いられる。

 

 

直列回路の合成抵抗

直列合成抵抗

上図のような直列回路の2つの抵抗を合成する場合、以下の公式が成立します。

point!
$$R={R}_{1}+{R}_{2}$$

 

足すだけなので簡単ですね。

20Ωと30Ωの直列接続の抵抗なら合成抵抗は50Ωという感じです。

よって、直列に抵抗を繋ぐということは合成抵抗を大きくすることになります。

ちなみに3つ直列に繋がっている場合は、3つ足すだけでOKです。

 

SATの電験3種講座

並列回路の合成抵抗

並列合成抵抗

上図のような並列回路の2つの抵抗を合成する場合、以下の公式が成立します。

point!
$$R=\frac { { R }_{ 1 }{ R }_{ 2 } }{ { R }_{ 1 }+{ R }_{ 2 } }$$

足した分の書けた分なので、和分の積という風に覚えるといいかと思います。

20Ωと30Ωの並列接続の抵抗なら合成抵抗は600÷50=12Ωという感じです。

よって、並列に抵抗を繋ぐということは合成抵抗を小さくすることになります。

 

並列合成抵抗2

また上図のように、並列回路の2つの抵抗値が同じ場合、その合成抵抗は1つの抵抗値の半分となります。

これは非常によく使用するテクニックなので必ず覚えておきましょう。

 

3つ以上の並列回路

並列合成抵抗3

上図のような並列回路の3つの抵抗を合成する場合、以下の公式が成立します。

point!
$$\frac { 1 }{ R } =\frac { 1 }{ { R }_{ 1 } } +\frac { 1 }{ { R }_{ 2 } } +\frac { 1 }{ { R }_{ 3 } } $$

少しややこしいですね・・・。ただ、もし忘れたとしても、3つのうち2つの抵抗を合成して、それと残り1つの抵抗を合成するという風に力技で解くこともできます。

 

まとめ

・直列回路の合成抵抗は足す

・並列回路の合成抵抗は和分の積

 

回路が複雑であっても、合成抵抗を求めて、電源電圧を使って回路全体を流れる電流を求めたりすることができます。ともかく、合成抵抗は色々なところで使われるので必ずマスターするようにしましょう。

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理論, 直流

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