電磁誘導

2018年12月10日

SATの電験3種講座

この単元では、運動エネルギーを電気エネルギーに変換する際の規則性について説明しています。

前の単元の電磁力と逆のことをするだけですので、そちらを読んでから読むとその対比にこの単元の面白味が見えてくるかと思います。

電磁誘導

電磁誘導は、磁界の向きに垂直な方向に導体を動かすと、その導体に誘導起電力e[V](電圧と考えてOK)が発生する現象のことで、このときに流れる電流を誘導電流と呼びます。

発電所で使われているタービンは回ることで電気エネルギーを生み出しますが、その原理として電磁誘導がつかわれています。

また、このときの磁界の向きと導体の移動した方向によって決まる電流の方向を示す法則をフレミングの右手の法則(前回はフレミングの左手の法則なので注意)と呼び、下図のように表されます。

中指が流の向き、人差し指が界の向き、親指が移動した方向()。となっています。

中指から順番に頭文字をとって「電・磁・力」と覚えましょう。

これも前の単元と同じで面白いですよね笑

 

SATの電験3種講座

それでは前回と同様に例を挙げて説明していきます。

下図のように机の上に、磁石を置き上向きの磁界を発生させ、その上に導体を置き、導体を右方向に速さv[m/s]で動かします。

するとフレミングの右手の法則から手前に向きに起電力e[V]が発生し、回路に電流が流れます。

この図でフレミングの右手の法則を使うと、(中指が手前、人差し指が上、親指が右を向きます。)

 

このときの起電力の大きさe[V]は導体の長さに比例し磁束密度に比例し磁界を垂直に横切る速さの成分に比例するので、以下の公式が成立します。

point!
$$e[V]=Blvsinθ$$

 

B:磁束密度[T]

l:導体の長さ[m]

vsinθ:磁界を垂直に横切る速さの成分[m/s]

θ:磁界の向きと速さの向きで作られる角

 

前回の単元の電磁力の公式は

point!
$$F[N]=BIlsinθ$$

 

これでした。すごく似ていますが、電磁誘導の単元では起電力を求める際に電流Iは一切使いません。といいますか、その電流は起電力から生まれる電流ですので当然ですよね。

 

というわけで、すごく似ている二つの単元ですがゴチャゴチャになるのを防ぐためにこのように2つの記事に分けています。気を付けましょう!

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