コンダクタンス・サセプタンス・アドミタンス
コンダクタンス・サセプタンス・アドミタンス
誘導機や変圧器の励磁回路は一般的に下図のように抵抗とインダクタンスの並列回路(RL並列回路)で表されます。
この回路を使った問題では、コンダクタンス・サセプタンス・アドミタンスといった馴染みのない言葉が問題中を飛び交うことも多いのですが、それらについて学んでから誘導機と変圧器の勉強を始めるとスムーズに話が進むと思いますので一度復習しておきましょう。そこまで難しくはない・・・はず!
励磁コンダクタンス
一般的に励磁コンダクタンスは\({g}_{0}{[S]}\)で表され、僕たちがよく使う抵抗\({R}_{0}\)[Ω]の逆数をとったものになります。なので、コンダクタンスは電流の流れやすさを表していて、以下の公式が成立します。
このことより、抵抗成分を流れる電流\({I}_{0r}\)[A]を求めるときは、
という風に電圧とコンダクタンスを掛ければOKです。
ちなみに、鉄損\({P}_{i}\)[W]を求める際は
という風になります。
ここまで理解できれば、励磁サセプタンスも励磁コンダクタンスとほぼ似ているのですんなり分かるはず。
励磁サセプタンス
一般的に励磁サセプタンスは\({b}_{0}{[S]}\)で表され、励磁回路のインダクタンス成分\({X}_{0}\)[Ω]の逆数をとったものになります。よって、以下の公式が成立します。
このことより、インダクタンス成分に流れる電流\({I}_{0x}\)[A]を求めるときは、
という風に電圧とサセプタンスを掛ければOKです。
コンダクタンスのときとほぼ同じですよね。
励磁アドミタンス
一般的に励磁アドミタンスは\({Y}_{0}{[S]}\)で表され、励磁回路のインピーダンス\({Z}_{0}\)[Ω]の逆数をとったものになります。よって励磁回路のインピーダンスを
$$\dot { { Z }_{ 0 } } =\frac { 1 }{ \frac { 1 }{ R } -j\frac { 1 }{ X } } $$
とすると、以下の公式が成立します。
$$\dot { { Y }_{ 0 } } ={ g }_{ 0 }-j{ b }_{ 0 }$$
このことより、励磁回路全体を流れる電流\({I}_{0}\)[A]を求めるときは、
という風に電圧とアドミタンスを掛ければOKです。
まとめ
という感じでコンダクタンスもサセプタンスもアドミタンスも全て『逆数』というのがポイントになっています。3つとも考え方が同じなのでそこまで難しくはないはずです。
ちなみに、並列回路における複素数の計算では、インピーダンスを使うより、アドミタンスを用いて計算する方が楽(分母に虚数がこなくて、実数だけになるから)なのでこういったものが計算で使われています。とりあえずポイントは何度も言いますが、逆数ってことだけです!
以上です!